こんにちは!院長の百瀬です。
今回は前回の内容に出てきたラバーダム防湿とは?について詳しくお話しをしていきます。
みなさんは実際にラバーダム防湿をした歯科治療を受けたことはありますか??
ラバーダム防湿は様々な治療に使われるのですが、分かりやすくご説明すると、例えばよくドラマとかでお医者さんが手術をする時に緑や青い布を掛けた状態で治療しています。
必ず必要な事であの状態無しに体を開けるような手術をすることは無いと思います。
それはなぜか??感染をしないように清潔な環境下で治療することが必須だからです。
感染を起こすと失敗するからです。
では、歯科治療ではどうでしょうか??普段治療を受ける際には、特にこのような処置をしないでお口を開いて歯を削ったり根の治療をしたりしていることが多いと思います。お口の中には細菌が多くいる中で、歯を削る水と唾液が混ざって歯にかかり感染している状態で治療していることになります。
このように歯茎やお口の中が見えている状況下で治療していると、治療は上手くいかないことが多いです。それは、痛みが治療後に出たり、根の病気の再発の繰り返し、虫歯の繰り返し、神経の治療が失敗するなどの様々なリスクを伴います。
ラバーダム防湿をして治療するとこのような形になります。
こちらはセラミックを歯に付ける時にラバーダム防湿をしています。3本セラミック治療がされていますが、何か物をくっつける際に濡れていたり湿度が高いとこで物は接着するでしょうか??実はお口の中は湿度が約95%あります。
ラバーダム防湿をしていないと、この湿度中でかつ唾液や細菌がつく環境下で治療をしていることになります。これが修復物が簡単に割れたり脱離したり、2次虫歯になる、痛みが出る要因になります。
この治療は根の治療の際にラバーダム防湿をしている状態です。歯茎や他の歯、唇、頬が見えていないのが分かると思います。神経や根の治療の失敗の一番の原因は細菌感染です。このように感染しない清潔な環境下で治療することが1番大事になります。
こちらは虫歯が深く従来では神経を取らないといけなかった状態です。
しかし、ラバーダム防湿と顕微鏡を用いると神経を守る治療も可能になります。
まとめるとラバーダム防湿を行うとどのよなメリットがあるでしょう。
①清潔な環境下で治療を行うので歯が細菌感染しない
(神経を守る治療が可能、根の治療の成功率向上、修復物を入れた後の痛みが出ずらい)
②湿度と感染をコントロールできる
(修復物がしっかり接着するので、脱離、割れる可能性がかなり低い、痛みが出ずらい)
③ラバーダムをしていないと使えない薬剤や歯への加工が可能
(歯が痛みずらい、より修復物が接着する、消毒殺菌可能)
④出血の影響がない(血が混じって接着が上手くいかない)
(歯肉の中の深い虫歯でも精密に治療が可能、より修復物が接着する)
⑤歯の切削を最小限にすることが可能
(歯の維持の為に歯を削る必要がなく、最小限しか歯を削らないことが可能)
上記のように、ラバーダム防湿には様々なメリットがあります。その代わり、1本の歯を守ったり精密な治療を行うために普通の治療より1回の治療時間が長くなります。
しっかりと治療したい方には良いと思いますが、早く短時間で終わらしたい方には大変かもしれんません。
また、保険診療でできることとできないこともありますのでご興味がある方はいつでもご質問してください。詳しくご説明させていただきます。
今回も長くなりましたが、最後まで読んで頂いた方ありがとうございます。
ブログではできる限り本質的な歯の話を今後もしていきます。難しく分かりずらいこともあると思いますので、その際には気軽にご質問してください。
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